桐たんす 相徳(あいとく) 桐箪笥一筋 

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東京手描友禅 小倉貞右さんを訪ねる

★2002年 工房におじゃましました。★

東京手描友禅 小倉貞右さん

先日 東京手描友禅の小倉貞右さんを訪問しました。
場所は 高田馬場。
高田馬場 から 落合にかけては
キモノの関係の方々が 多くいらっしゃいます。
先日お訪ねした 二葉苑さんや 砂川さんからも
歩いていける距離。
本当に地場の伝統工芸であることがわかります。

小倉さんは 現在50代
なかば突然にお邪魔したようなものですが
温かく迎えていただきおそれいります。
小倉さんとは 染芸展の役員をやっておられるときに
桐たんすを出展させていただいたときより
親しくお話をさせていただくようになりました。

作品が非常に緻密な作品 また
明るく接していただけるので たいへんに助かります。
井上自身は きものの工程等については 本当にわからないので
周辺のいろいろなお話をおうかがいするわけですが
伝統工芸に身を置くもの同士 共通する気持ちだなという点は多く
励まされる部分が多いものです。
手描友禅は 個人の技量や裁量やセンスによるところが
箪笥に比べると はるかに大きく
個人のセンスを売っているともいえるわけですから
箪笥屋に比べると 厳しい世界のようにも感じます。
それだけにやりがいもあるのかもしれませんが
修行や競争は 相当に厳しいものがあるのだと感じられます。
小倉さんもそうした時代をきっと超えて今日があるので
それがある意味の明るさにつながっているのかもしれません。

小倉さんも若い日は 京都で修行をされたとのこと
小倉さんは その日々のことはほとんど話されませんでしたが
井上 同志社大卒ということもあり
いろんな人の京都修行時代を聴くこともあり
これはけっこうみんな たいへんな思いをしていたりします。
この話は また別の機会に・・・

手描友禅は 工程的に分けると 10にはなるのだそうです。
そのすべてに精通していなければなりません。
若いときに 弟子として そのそれぞれに精通しておくこと
精通できたことが財産だとのお話もありました。
一つの工程を ある程度マスターしても
次の工程では また素人 ひととおり となれば
やっぱり何年もかかってしまう。
だから 戦力となると やっぱり何年かかかる
今は 時代背景もあるから はんぱでは 淘汰されてしまう
厳しい世の中になっているから 
若い人はたいへんだけれどもがんばってほしい 
バブルの頃に ある意味もてはやされたものは
その多くは今は淘汰されて 本物でないと生き残っていない と
うむうむ 伝統工芸は なにであれ共通する話ですね。

流通業者などの業者の パワーの低下という話もしました。
これは 私達たんすは 家具業界ですが
家具業界の パワー レベルの低下もすさまじいものがあり
デザインは 云々しても 素材や 構造に関しては
本当にわかっていない という業者はいっぱいいます。
小倉さんも ある意味 いい時代がかつてあったということですよね
と お話になっていました。
知らなくても良かった 説明しなくても良かった の時代があったから
知らないし 説明も出来ないになってしまった。

これからに時代は 個人の技量・技術はもちろんのこと
お客様のニーズをつかむ コミニケーションの力
それを形にして 表現する センス 
そして そのセンスを支える技術 が大事 だよと・・・

そして それが お客様が 
また 帰ってきてくれることにつながるのだから と・・・

いや 本当に頭が下がります。
伝統工芸は その本当に一線でやられている方は
若いときから 一本筋がとおっているのでしょう。
話をしていると おもしろい人が多いです。

話が流行とか そうしたことについてもおよびました。
井上が そう 桐たんすでもありますね。
一般の人が見てわからないかも知れませんが
昭和30年代は 昭和30年代 昭和初期とか
それぞれの時代の流れがやっぱりありますから
みるとわかりますよね と お話したところ
キモノでも30年前の お母さんのキモノとか 
それは見れば私たちはわかるけれども
そうして 親から子へ とか 受け継がれていくのは
キモノとしてみて まったくおかしいわけではないし
すごく誇れること いいものが受け継がれていくのを見るのは
すごくいいなぁ と 
自分の作品も 
そうして受け継がれていくものでありたいと思っていますよ

と おっしゃっていました。

非常に刺激を受けた一時間でした。
2002-11-12


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